40年の節目。更新する3年間。


この企画は、
平均年齢が概ね30歳以下の

団体・個人を対象に、

京都のみならず
  日本の演劇シーンで活躍する人材が

生まれること。
 客席数400名程の中規模の劇場で、
  恒常的に単独公演を行える団体・個人が

生まれることを期待し、

3年間の創造サポートを行うものです。


選出団体紹介

 
ルサンチカ


河井朗が主宰、演出を行う演劇ユニット。
特定の劇作家はおらず、扱うテキストは古典から近現代の戯曲、小説と多岐にわたる。
両手ですくいとった時に、必ずこぼれ落ちる側が存在することに意識を向け、「物語」を使って今とこれからををどう過ごしていくかを観客とともに考える作品を上演する。
近年の作品に『楽屋』(作:清水邦夫/京都府立文化芸術会館)、『春のめざめ』(作:フランク・ヴェデキント/京都芸術劇場春秋座)、『メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス』(作:松本大洋/ロームシアター京都 ノースホール、STスポット横浜)がある。

ウェブサイト

http://ressenchka.com/

ツイッターアカウント

@ressenchka

幻灯劇場


映像作家や俳優、ダンサー、写真家など様々な作家が集まり、「祈り」と「遊び」をテーマに創作をする演劇集団。2017年文化庁文化交流事業の一環で大韓民国演劇祭へ招致され『56db』を上演。京都市中央卸売市場の旧氷商工場跡を改造し二作品同時上演を行う等、国内外・劇場内外で挑戦的な作品を発表し続けている。

ウェブサイト

 https://gentougekijou.themedia.jp/

ツイッターアカウント

@Theater_phantom

団体写真クレジット

撮影:松本真依

 

<U30支援プログラム採択理由>


今回、新たにU30支援プログラムをスタートするにあたり、審査基準を以下のように設定しました。

・応募団体の過去実績などから、2019年〜2021年の上演が実現可能と判断できること
・幅広い年代の観客に対し、良質な上演が期待できること
・3年間で、団体(または個人)の成長・発展、またフェスティバルとの良好な関係構築が期待できること

選考は6人の委員・会館スタッフによって行いました。
一次選考では書類選考を実施し、上の審査基準に照らし合わせ、このプログラムで上演する意義が見出せる団体、さらに詳細な話を聞きたい団体を選出しました。
二次選考では直接ヒアリングを行い、協議によって採択団体を決定しました。

ルサンチカは、3年間を使った作品創作のビジョンが明確にあり、作品にかける高い意欲を感じました。
Kyoto演劇フェスティバルは“子どもから大人まで楽しめるフェスティバル”を目指していますが、その作品創作の中で“子どもから大人まで”巻き込んでいけるプランでもあり、このフェスティバル、このプログラムに必要な存在であると考えました。
舞台と観客との関係性に非常に自覚的であり、会館のプロセニアムアーチという舞台機構を活かし、両者にある“見えない壁”を乗り越えてくれることを期待しています。

幻灯劇場は、個性的な発想の豊かさが顕著でした。
それ故に、表現として完成されるまでに多くの時間が必要であるとも感じましたが、このプログラムが3年間あること、また、会館には広い表現空間があること、そして我々と協働し課題をひとつひとつ乗り越えていくことが、今後の創作に良い影響を与えられるのではないかという可能性を感じました。
その発想や眼差しが、たくさんの人に届くことを期待しています。

両団体に共通するポイントは、会館での上演がイメージでき、会館で上演される彼らの作品を観てみたい、と思わせてくれることでした。
そして応募用紙の記入項目である「この企画に望むプログラム」として、演劇分野以外の人々との関わりを求めていることも共通しています。他の分野からも学び取ろうとする姿勢は、Kyoto演劇フェスティバルが持つ歴史・資源とも結びつき、より多くの人を巻き込んでいけるのではないかと考えます。

40回目の開催を迎えるKyoto演劇フェスティバルから始まるこの3年間、ぜひ一緒に見届けていただきたいと思います。
これからのルサンチカ、幻灯劇場のさらなる活躍、どうぞご期待ください。